英語の勉強にオススメの映画ランキング第2段。
前回の「リスニング編」に続いて、今回は「ボキャブラリー編」をお送りいたします。
一本の映画のセリフに出てくるボキャブラリーをすべておぼえることで、語彙力を増やしたい方のために、難しいボキャブラリーがより多く出てくる映画(またはドラマ)をランキング形式でピックアップしてみました。
尚、前回のあとがきに書いた通り、クエンティン・タランティーノの映画はランキングから一切除外しております。
英語の勉強にオススメの映画ランキング【ボキャブラリー編】
ボキャブラリー編は私が過去に英語の勉強を実際にしたことのある50本あまりの映画から選んでみました。
なので、リスニング編と比べるとちょっと選択肢が少ない中からのチョイスになります。
(しかも私の好みにかなり偏っていますので、ご了承ください)
私はこのブログで、一本の映画に出てくる英単語や英熟語をすべて勉強することを推奨しています。
当然、難しいボキャブラリーがよりたくさん出てくる映画が、ボキャブラリーを増やすのに有効な映画、ということになります。
そこで、ボキャブラリー部門ランキングの参考にした要素は以下の通りです。
(1)私が英語の勉強にかかった日数
(2)このブログの記事でメインに取り扱った回数
(3)このブログの記事の用例で引用された回数
(4)繰り返し見てもおもしろい作品であること
(1)は、勉強により多く日数がかかった映画ほど、難しいボキャブラリーが多く出てきた映画、という判断基準になります。
(2)と(3)は、このブログのボキャブラリーの説明で引用された回数が多いほど、英語の勉強になる映画である可能性が高い、という基準になります。
学問の世界でも、他の論文に引用された回数が多い論文ほど、優れた論文だと見なされる、という基準がありますよね。あれみたいなもんです。
(4)は必須条件です。
ひとつの映画に出てくるボキャブラリーをすべて辞書で調べた上で、その映画を繰り返し見ることでボキャブラリーを増やすわけですから、繰り返し見てもおもしろい映画でなければ、いくらボキャブラリーが充実していても意味がありませんよね。
それでは「英語の勉強にオススメの映画ランキング:ボキャブラリー編」、いってみましょう。
第1位:バリー・リンドン
原題:Barry Lyndon
監督:スタンリー・キューブリック
原作:ウィリアム・メイクピース・サッカレー
脚本:スタンリー・キューブリック
出演:ライアン・オニール、マリサ・ベレンスン
制作:1975年、イギリス
第1位はダントツの票数でこの映画。
私がこの『バリー・リンドン』を英語の勉強の教材に使って、かかった日数はなんと76日間。
この数は、例えば『アナと雪の女王』が9日間、『塔の上のラプンツェル』がたった7日間、『2001年宇宙の旅』が8日間という事実と比較しても、圧倒的です。
このブログの記事のメインで取り上げた回数が23回。
他の記事で引用された回数が4回。
この映画一本のボキャブラリーをすべてマスターするだけで、かなり語彙力がつくこと間違いなしです。
中世のヨーロッパが舞台なので、現代の英会話では使われないボキャブラリーも多少出てきますが、「このボキャブラリーは現在ではどういう使われ方をしているだろう」という視点で勉強すれば、かなり実用的な英語の知識が学べます。
とにかく出てくるボキャブラリーの絶対数が圧倒的なので、文句なしの1位です。
第2位:サウンド・オブ・ミュージック
原題:The Sound of Music
監督:ロバート・ワイズ
原作:ハワード・リンゼイ、ラッセル・クローズ
脚本:アーネスト・レーマン
出演:ジュリー・アンドリュース、クリストファー・プラマー、エリノア・パーカー、リチャード・ヘイドン、ペギー・ウッド
制作:1965年、アメリカ
第2位は、このブログで初めて取り上げたこの映画。
私がこの映画を教材に費やした英語の勉強期間は39日間。
このブログの記事のメインで取り上げた回数が25回。
他の記事で引用された回数が6回。
私の勉強期間は1位の『バリー・リンドン』に大きく差をつけていますが、ボキャブラリーの用例で引用された数が多いので、かなり実用的な英語のボキャブラリーが効率的に出てくる映画だと思います。
英語もきれいで聞き取りやすく、内容もミュージカルで非常に充実しているので、まず楽しく英語の勉強をするには最高レベルの一作と言っていいでしょう。
『サウンド・オブ・ミュージック』の全セリフ書き起こしはこちら
第3位:アマデウス
原題:Amadeus
監督:ミロス・フォアマン
原作:ピーター・シェーファー
脚本:ピーター・シェーファー
出演:F・マーリー・エイブラハム、トム・ハルス、エリザベス・ベリッジ
制作:1984年、アメリカ
第3位はモーツァルトの死の謎に迫ったこの映画。
私がこの映画を教材に費やした英語の勉強期間は27日とさらに2位より差がついてしまっておりますが、このブログの用例で引用された回数が7回とかなり多いです。
また、舞台は中世のヨーロッパですが、話されている英語は現代アメリカのカジュアルな英会話に近いので、実用的な英語のボキャブラリーを多く学べる映画だと言えます。
第4位:FARGO/ファーゴ(ドラマ版)
原題:Fargo
監督:アダム・バーンスタイン、他
原案・脚本:ノア・ホーリー
出演:ビリー・ボブ・ソーントン、アリソン・トルマン、コリン・ハンクス、マーティン・フリーマン
制作:2014年〜、アメリカ
これは映画じゃなくてドラマですが、とても英語の勉強になるので第4位に入れました。
私が勉強にかかった期間はシーズン1だけで48日。
このブログで引用された回数は3回。
数字ではそれほどふるってはいませんが、このドラマの脚本はすごいです。
なにがすごいって、このドラマはタランティーノの映画を例外とすれば、私がこれまで英語の勉強をしてきた映像作品すべてひっくるめて、セリフに英熟語が出てくる頻度が最も高い作品でした。
また、作品としても、私がこれまでの人生で見たドラマで最高傑作のひとつと言っても過言では無い素晴らしい出来です。
くりかえし見れば見るほど新しい発見があります。
1話1時間、1シーズン全10話ありますので、ボリュームとしても勉強し甲斐がありますね。
ドラマで英語の勉強をするなら、私はこの作品が一番オススメです。
第5位:時計じかけのオレンジ
原題:A Clockwork Orange
監督:スタンリー・キューブリック
原作:スタンリー・キューブリック
脚本:アンソニー・バージェス
出演:マルコム・マクダウェル、パトリック・マギー
制作:1971年、イギリス
第5位はスタンリー・キューブリック2度目の登場となるこの作品。
私がこの映画を教材に費やした英語の勉強期間は37日と3位よりも長く、さらにこのブログの用例で引用された回数も4回となかなかふるっています。
しかしこの映画の舞台は近未来なので、主役たちが未来のスラング「ナッドサット言葉」を頻繁に話すんですね。
そのため、ちょっと日常会話には不向きな表現が多く出てくるということで、第5位に落としました。
しかし「ナッドサット言葉」は覚えなければいいだけのことです。
気にしなければ英語の勉強にはかなり有益な一本だと言えます。
第6位:パシフィック・リム
原題:Pacific Rim
監督:ギレルモ・デル・トロ
脚本:トラヴィス・ビーチャム、ギレルモ・デル・トロ
出演:チャーリー・ハナム、菊地凛子
制作:2013年、アメリカ
いきなり第6位は最近のアメリカの巨大ロボット&怪獣映画。
私が勉強にかかった日数が48日と、第2位の『サウンド・オブ・ミュージック』よりも上。
しかし出てくるボキャブラリーはSF的な専門用語も多く、このブログで引用された回数がたった1回だけということで、第6位にランクさせました。
「アクション映画は英語の勉強に不向き」という意見をよく聞きますが、この結果をみると、決してそんなことはありませんよね。
意外と最近のアクション映画は会話も多く、じゅうぶん英語の勉強におすすめです。
第7位:バック・トゥ・ザ・フューチャー
原題:Back to the Future
監督:ロバート・ゼメキス
脚本:ロバート・ゼメキス、ボブ・ゲイル
出演:マイケル・J・フォックス、クリストファー・ロイド、リー・トンプソン
制作:1985年、アメリカ
第7位はこの傑作がランクイン。
私が勉強にかかった日数は20日とやや少なめですが、このブログで引用された回数は4回もあり、内容も学校や家族での会話が主ですので、かなり効率的に日常会話で使われる実用的な英語のボキャブラリーが学べる一作です。
この映画はとにかく、何度くりかえし見てもめちゃくちゃおもしろいので、その点でも英語の勉強にオススメです。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の全セリフ書き起こしはこちら
第8位:スカーフェイス
原題:Scarface
監督:ブライアン・デ・パルマ
脚本:オリバー・ストーン
出演:アル・パチーノ、ミシェル・ファイファー
制作:1983年、アメリカ
第8位はギャング映画の名作がランクイン。
私が勉強にかかった日数は23日、このブログで引用された回数は4回と、データ的には上位の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』よりもやや上ですが、主役たちがヒスパニック系の英語をしゃべること、ギャング映画なのでドラッグや殺人に関するボキャブラリーも多いということで、第8位にランクさせました。
アル・パチーノのかっこよさ、怒涛のストーリー、衝撃のラストは今や伝説。
映画で英語の勉強をするということは、何日もの期間をかけて一本の映画を骨までしゃぶりつくす、みたいな行為ですから、まさにこういう映画は好きな人にとってはうってつけかと思います。
第9位:フルメタル・ジャケット
原題:Full Metal Jacket
監督:スタンリー・キューブリック
原作:グスタフ・ハスフォード
脚本:スタンリー・キューブリック、マイケル・ハー、グスタフ・ハスフォード
出演:マシュー・モディーン、R・リー・アーメイ
制作:1987年、アメリカ
なんとスタンリー・キューブリック3度目の登場。
私がキューブリック好きだってのもあるんですが、しかしそれを差し引いても、彼の映画は英語の勉強になる作品が多いです。
私が勉強にかかった実数は32日となかなか長めですが、このブログで引用された回数は1回だけ、内容も戦争ものなので若干ボキャブラリーに偏りがあるということで、9位にランクさせました。
この映画のスゴいところは、『バリー・リンドン』と同様、全カットの構図がまるで絵のようにバシッと決まっていて、ただ映像を見ているだけで飽きずに何回も見れてしまうところ。
セリフもおもしろい表現がたくさん出てくるので、楽しく英語の勉強をするには最適な一本と言えるでしょう。
第10位:バートン・フィンク
原題:Barton Fink
監督:ジョエル・コーエン
脚本:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
出演:ジョン・タトゥーロ、ジョン・グッドマン、ジュディ・デイヴィス
制作:1991年、アメリカ
第10位はコーエン兄弟がランクイン。
私はキューブリック以上にコーエン兄弟のファンなのですが、キューブリックほど英語の勉強度は高くなく、ランクインはこの一本だけになりました。
私が勉強にかかった日数は21日とあまり多くありませんが、このブログで引用された回数は4回と、かなり多めです。
この映画はかなりシュールな作風なので、くりかえし見るたびに新しい解釈が出てくるようなところがあります。
ボキャブラリーを調べながら登場人物のセリフを吟味しつつ、細部の意味合いなどを紐解いてゆくのも楽しく英語の勉強をするきっかけになるんじゃないでしょうか。
あとがき
英語の勉強にオススメの映画ランキング、いかがでしたでしょうか。
映画はこれからも増えてゆくので、この一連の記事はちょくちょく更新していく予定です。
ぜひ参考にしていただければ幸いです。
ちなみに本日のランキングはタランティーノの映画を除外しましたが、もしタランティーノの映画を除外しなかったらどうなっていたのか? というと、もちろん1位から10位まですべてタランティーノの映画になります。
詳しくは別記事『英語の勉強にタランティーノの映画をおすすめするこれだけの理由』をご覧ください。
また、前回の英語の勉強にオススメの映画ランキング:リスニング編もぜひ併せて参考にしてください。