海外のコメディを見ていると、たまに日本をネタにしたお笑いがありますね。
本日はそんな、日本をネタにしたアメリカのコメディ番組を集めてみました。
有名な「サタデー・ナイト・ライブ」他、爆笑動画がもりだくさんです。
いつもはコントばかりですが、今日はトークショーやスタンダップコメディも紹介しています。
エレンが見つけた最高にぶっ飛んだゲーム番組
(Ellen Found the MOST Outrageous Game Show!)
最初は『エレンの部屋(The Ellen DeGeneres Show)』から、日本のゲーム番組を紹介しているクリップ。
最初のほうでエレンが「日本のゲーム番組見たことある?(Have you ever seen the Japanese game shows?)」と聞くと、客席からにわかに笑いが巻き起こります。
どうやら日本のゲーム番組(バラエティ番組)のアホさ加減はアメリカでもかなり知られているみたいですね。
私がアメリカに住んでいた30年前にもすでに、レンタルビデオに日本の『ザ・ガマン』というバラエティ番組のビデオが『ENDURANCE』というタイトルで並んでいましたっけ。
私はかねがね、日本のお笑いはボケ中心、アメリカのお笑いはツッコミ中心だと感じています。
だから日本の芸人は2人組が多くて(ボケはツッコミがいないと成立しにくい)、アメリカのコメディアンはピンが多い(ツッコミ中心の笑いはひとりで成立する)んだと思います。
それだけに、こういう風に日本のアホなテレビ番組をアメリカのテレビがツッコミを入れながら紹介する番組はおもしろいですね。
日本(ボケ)とアメリカ(ツッコミ)による国際漫才現象とでもいいましょうか。
今回ご紹介する番組もエレンのツッコミがめっちゃおもしろいです。
この手のアメリカ人が日本の文化にツッコミを入れてるクリップとしては、以前日本のゆるキャラにツッコミを入れてる番組が日本語字幕付きでアップされていて、かなりおかしかったです。
ちなみに日本のクイズ番組というと、前にこのブログで紹介したSNLのマイク・マイヤーズのコントが大爆笑ものでしたっけね。
あのコントは本当はこの記事で紹介するべきだったかもしれません。
J-Pop Talk Show
次は Saturday Night Live から、アメリカ人が日本のバラエティ番組をマネしているコント。
ジョナサン(演じるのはタラン・キラム)とレベッカ(演じるのはヴァネッサ・ベイヤー)は日本が大好きで、日本語を勉強している大学生。
大学の放送局で日本風のバラエティ番組を制作し、その司会をやっている。
日本語教師マーク・カウフマン教授(演じるのはジェイソン・サデイキス)にアドバイザーを務めてもらっているが、教授が「2人は私の最悪の生徒(They’re actually my two worst students)」と明言するように、2人の番組作りは日本への狭小な偏見に満ちている。
という設定のコントです。
ジョナサンとレベッカのおかしな日本認識と、マーク教授のツッコミが最高におかしいコントです。
あとジョナサンとレベッカがたまに英語の語尾に「どぅる」をつけてしゃべっているところが興味深いですね。
これは日本かぶれのアメリカ人が日本語と英語をごちゃまぜにしてしゃべるのをマネしているらしいんですが、こういうのを聞くと、アメリカ人の耳に日本語や日本人の英語がどんな風に聞こえているのかがわかっておもしろいですね。
シリーズのコントで3つありますのでまとめてご紹介します。
J-Pop Talk Show
セーラームーンのコスプレをした女優のアンナ・ファリス(Anna Faris)がゲストの回。
J-Pop Talk Show: Japanese Culture Enthusiasts(日本文化ファン)
ハローキティのグッズに着飾った歌手のケイティー・ペリー(Katy Perry)がゲストの回。
J-Pop Talk Show: Samurai Sword Enthusiast(日本刀ファン)
日本刀の収集家という設定で侍のコスプレをしたコメディアンのジョナ・ヒル(Jonah Hill)がゲストの回。
アメリカ人が日本のオモチャを初めて食べてみた
(Americans Eat Japanese Toys For The First Time)
次は CollegeHumor から。
タイトル通りの内容です。
アメリカのYouTubeによくある、やってみた系の番組のパロディですね。
「日本のお菓子を〜」とか「〜遊んでみた」じゃないころがポイントです。
ちょっと日本度は低いですが、英語がわからなくても笑えるので入れてみました。
ちょっと残酷なカットがありますので、残酷描写が苦手な方は見ないほうがいいです。
経営者らしく寿司を注文(Ordering Sushi Like a CEO)
ふたたび Saturday Night Live から。
日本料理屋で大事な商談をするときに、何を注文していいのか戸惑っているようじゃいけません。
そこで「経営者らしく寿司を注文する方法(HOW TO ORDER SUSHI LIKE A CEO)」という本を書きました。
と、のたまうマット・ディロン(Matt Dillon)演ずる社長さんが、寿司の正しい注文の仕方を説明するコント。
これはもうマット・ディロンのスッとぼけた演技を見ているだけで笑えます。
[注目のボキャブラリー]
real deal = ホンモノ、ハンパじゃない(2:33)
phenomenal = 自然現象の、驚くべき、驚異的な(2:55)
I’m all about 〜 = 〜が大好き(2:59)
top it off = さらにその上に、何よりも(3:02)
1:41あたりでさりげなくバカな下ネタ言ってますが、聞き逃してませんか?
追記:コメント欄に質問がありましたのでちょっと解説。
3:08くらいのところで「I’m an uni-olic. I need to go to UA meetings」と言っていますね。
ここはちょっとアメリカ人じゃないとわかりにくいユーモアですね。
uni-olic の uni は言うまでもなく日本語の「ウニ」のこと。
-olic は恐らく -holic(〜中毒)のことでしょう。
例えば「アルコール中毒」を英語で alcoholic と言ったりしますよね。
UA meetings は、恐らく AA meetings のパロディ。
AA meetings というのは Alcoholics Anonymous meetings(匿名のアルコール依存症者たちの集い)の略で、アルコール依存症者たちが集まって経験を分かち合いながらアルコール中毒を克服しようとする会合です。
映画でたまに出てきますよね。
つまり UA meetings というのは Uniolic Anonymous meeting の略、ウニ依存症者たちが集まってウニ中毒を克服する会合のことだと思います(言うまでもなく、そんなもんあるわけないんですけれども)。
要するにこの社長さんは「私はウニ中毒ですよ。ウニ依存症者たちの会に通わないといけないね」と言っているんでしょうね。
ザ・オフィス日本版(The Japanese Office)
最後も Saturday Night Live から。
イギリスに『The Office』というドキュメンタリータッチのドラマがありまして、そのアメリカ版リメイクが放送されたそうなんですね。
これはその日本版リメイク、という設定のコント。
元祖イギリス版の『The Office』の主演リッキー・ジャーヴェイス(Ricky Gervais)が紹介しています。
元のドラマを見てなくても笑えますが、興味のある方はYouTubeなどで『The Office』で検索してみてください。
ドキュメンタリータッチの作風が日本版になるとえらくシュールになりますね。
1:50 あたりのところで、「stapler(ホッチキスのこと)ドコデスカ?」と聞かれて、デスクの引き出しからイタズラで作ったホッチキスが埋め込まれた巨大ゼリーが出てくる場面とか、好きですね。
あとがきとおまけ
日本ネタのアメリカのコメディ、いかがでしたか?
最初の方で米国のコメディはツッコミ中心と言いましたが、そうは言ってもボケっぷりも見事なものですよね。
ちなみに日本ネタのコントの元祖といえば、70年代のSNLで人気を博したジョン・ベルーシのサムライを思い出します。
私の一番好きなやつがアップされていなかったので今日の記事にはピックアップしませんでしたが、お時間のある方はぜひご覧になってみてください。
* * *
それでは最後に、80年代〜90年代にアメリカで活躍していた日本人コメディエンヌ、オオツキタマヨ(Tamayo Otsuki)さんのスタンダップコメディをご紹介します。
このオオツキタマヨさんは私がアメリカに住んでいたときによくテレビに出ていた人で、日本人なのに日本人をバカにするような自虐ネタでよく笑いをとっていました。
いわゆる、アメリカで放送されている日本ネタのお笑いは多かれ少なかれ日本文化をバカにした面はあると思うんですけど、何を隠そうアメリカで一番、日本をバカにしていたのは他ならぬ日本人自身だった、というオチでこの記事を終わりにしたいと思います。
こちらのクリップは、1991年ごろの、私がアメリカで初めて見たオオツキタマヨさんのテレビ出演。
懐かしいですねえ。
私もこの映像、VHSのビデオに録画してありますよ。