本日はディズニー映画『アナと雪の女王(Frozen)』の挿入歌、「In Summer(あこがれの夏)」の歌詞で英語の勉強をしてみたいと思います。
この歌、英語の表現は簡単なものばかりなのに、意味合いが全体的に抽象的なので、解釈は難しいという、ちょっと面倒な歌詞ですね。
ただボキャブラリーはそこそこ充実しているので、いろんな言葉は覚えられます。
まずは英語の歌詞と私の和訳をどうぞ。
In Summer
あこがれの夏Bees’ll buzz
Kids’ll blow dandelion fuzz
And I’ll be doing whatever snow does in summer夏だ
蜂はブンブン
子供はたんぽぽの綿毛をふぅ〜っ
そして僕も雪だるまができること、なんでもやっちゃうぞA drink in my hand
My snow up against the burning sand
Probably getting gorgeously tanned in summer夏はドリンク片手に
焼けた砂浜に雪のからだを横たわらせ
きっと、こんがり日焼けするI’ll finally see a summer breeze blow away a winter storm
And find out what happens to solid water when it gets warmついに僕は、初夏のそよ風が冬の嵐を吹き飛ばし
暖かくなると氷がどうなるのかを、見届けるんだAnd I can’t wait to see
What my buddies all think of me
Just imagine how much cooler I’ll be in summer楽しみだ
仲間たちはこんな僕をどう思うかな
夏でさらにクールになった僕を想像してみてThe hot and the cold are both so intense
Put ‘em together, it just makes sense!暑さも寒さも強烈だから
一緒にしちゃえば、いい感じ!Winter’s a good time to stay in and cuddle,
But put me in summer and I’ll be a…happy snowman!冬も家にこもって抱き合ってる分にはいい季節だけど
夏よ来い、そしたら僕はゴキゲンな雪だるま!人生、うまくいかないこともあるけれど
そんなときは夏の太陽の下でくつろぐ夢を見て
ガス抜きするのさOh, the sky will be blue
And you guys will be there too
When I finally do what frozen things do in summer!ああ、青い空
そしてそこには君たちもいて
僕はついに、凍ったからだで夏を満喫してるんだ
I’ll be doing whatever snow does in summer
まずはこの一行。
I’ll be doing whatever snow does in summer.
whatever の後にくるセンテンスが
snow does in summer
になってますね。
ここがもし
– snow can do in summer
– snow would want to do in summer
などみたいに助動詞が入っていると訳しやすいんですが、無いので、どう日本語に直すのが適切か一瞬、迷うところですね。
直訳すると
僕は、雪が夏にすること、みんなやっちゃうぞ
といったところです。
「もう、やれることは、みんなやりたい」みたいな、気持ちを語っているところですね。
主節と従属節でぶっきらぼうに動詞を重ねることで、理屈を超えて「もうなんでもやりたい」という気持ちを強調しているんだと思います。
こういう言い回しは映画を見ているとよく出てきますので、見慣れておくといいですね。
例えば
What will be, will be
(成るように成るさ)
とか
You gotta do what you gotta do
(やるべきことをやるんだ)
みたいに。
ちなみにオラフは雪だるまですから、当然、夏に存在したことがないわけで、夏に憧れるのも無理ないことですよね。
しかし実際のところ、夏になったら雪はただ溶けてなくなるだけなんですね。
この歌、ずっと最後までこのノリです。
後に出てくる一節でこんなのもありますが
find out what happens to solid water when it gets warm
暖かくなった時、氷にどんな変化が生じるのか、見届ける
これなど、雪だるまが自分で言うセリフとしてはかなりおもしろいですね。
find out という言葉、本人は「見届ける」意味で言っていますが、実際には「身をもって体験する」ことになるわけですから。
つまり発信側と受け手側で find out の意味合いが微妙に違うというユーモアです。
The hot and the cold are both so intense …
こちらも訳すのが難しい一行です。
The hot and the cold are both so intense
Put ‘em together, it just makes sense!暑さも寒さも強烈だから
一緒にしちゃえば、いい感じ!
キーになるのが、intense と make sense の意味。
intense = (感情や感覚が)激しい、非常に強い、強烈な
make sense = 道理にある、意味をなす、うなづける、筋が通っている
つまり暑いも寒いもそれぞれ両極端だから、一緒にしたら、ちょうどよくなる。
make sense(意味がある、道理に合う)というのは、平たく言うとそういうことですね。
When life gets rough, I like to hold on to my dream …
実用的な英語を学べるのがこの2行。
When life gets rough, I like to hold on to my dream
Of relaxing in the summer sun, just letting off steam人生、うまくいかないこともあるけれど
そんなときは夏の太陽の下でくつろぐ夢を見て
ストレス解消するんだ
まず rough というのは、「ラフ」と読み、「デコボコした」ものとか「ザラザラした」ものを説明する形容詞です。
そこから、「粗い」とか「荒削り」などの意味でも使われます。
日本語で「下書き」だとか「大まかな段階の原稿」のことを「ラフ原稿」と言ったりする、その「ラフ(rough)」と同じです。
日常会話では「辛くて耐えられない」とか「気分が悪い」とか「体調が悪い」とか「危険」だとか「乱暴」だとか、ほとんど悪い意味で使われる言葉ですね。
まとめると、rough とはこういう意味の言葉です。
rough = デコボコした、ザラザラした、粗い、荒削りな、大まかな、大雑把な、辛い、気分が悪い、危険な、乱暴な
つまり
When life gets rough
で、「人生が辛くなる時」または「生きてるのが辛い時」という意味になります。
次に hold on to ですが、これもよく使われる言葉ですね。
hold on to = しがみつく
つまり
hold on to my dream
で、「夢にしがみつく」となります。
「人生が辛くなったときは、何か楽しいことを夢見ながら気を紛らわす」みたいなことを言っているんですね。
let off steam = ストレスを解消する
この let off steam という言葉、文字通りには「蒸気を逃がす」
つまり、蒸気機関車からプシューッと蒸気が出るみたいに、自分の中にあるモヤモヤした気分を外に放出させる、みたいなイメージの表現です。
映画のシーンでもオラフのからだから湯気が出てますよね。
日本語にも「ガス抜きする」って似たような表現があります。
ちなみに、かの let it go という言葉も同じ let が入っているし、意味も似ていますね。
その他の注目ボキャブラリー
buzz = (ハチが)ブンブンと音をたてる
fuzz = けばだつ
tan = 日焼けする
summer breeze = 夏のそよ風 = 薫風
solid water = 固まった水 = 氷
cuddle = (愛情をこめて)抱きしめる
あとがき
本日はディズニー映画『アナと雪の女王(Frozen)』の挿入歌、「In Summer(あこがれの夏)」の歌詞で英語の勉強をしてみました。
英語勉強初心者の方にとっては、抽象的で意味を捉えるのは難しいけど、けっこう新しい言葉を覚えられた一曲だったのではないでしょうか。