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【パルプ・フィクション】で学ぶ英語のセールストーク

商談成立

Pulp Fiction - Lance & Vincent

このブログではタランティーノの『パルプ・フィクション』で英語の勉強をしておりますが、今回はランスがヴィンセントにドラッグを売るシーンから、英語のセールストークを学んでみたいと思います。

売ってるモノはヤクザな商品ですが、言い回しは英語で何かを売るときの参考になるかもしれません。




英文の引用と和訳:ランスがヴィンセントにドラッグを売るシーン

冒頭に貼った動画では0:25からの部分。
DVDでは始まって27分30秒のところです。

LANCE : But this one is a little more expensive. This is 500 a gram. But, when you shoot it, you will know where that extra money went. There’s nothing wrong with these two. This is real, real, real good shit. But this one is a fuckin’ madman.
VINCENT : Remember, I just got back from Amsterdam.
LANCE : Am I a nigger? Are we in Inglewood? No. You’re in my home. Now, white people who know the difference between good shit and bad shit, this is the house they come to. Now, my shit, I’ll take the Pepsi Challenge with that Amsterdam shit any old day of the fuckin’ week.
VINCENT : That’s a bold statement.
LANCE : This ain’t Amsterdam, Vince. This is a seller’s market.

ランス「しかし、こいつはちょっとばかし値がはる。グラム500ドル。でも打ってみれば、その違いは明らかさ。この2つも悪くない。マジで、マジで、マジで、いいヤツだ。でもこいつだけはガチでぶっ飛ぶぜ」
ヴィンセント「言っとくけど、俺はアムステルダム帰りなんだぜ」
ランス「俺はそこらの黒人の売人か? ここはイングルウッドか? 違うだろ。ここは俺の家だ。いいか、ブツの良し悪しがわかる白人が通う店、それがこの家だ。いいぜ、俺のブツとアムステルダムのブツでペプシチャレンジ、いつでも受けてたつよ」
ヴィンセント「大きく出たな」
ランス「ここはアムステルダムじゃないんだ、ヴィンス。ここは売り手市場だからね」

extra money

セールストークでより高いものを売りつける場合に使えそうなフレーズがこちら。

This one is a little more expensive. This is 500 a gram. But, when you shoot it, you will know where that extra money went.
(こいつはちょっとばかし値がはる。グラム500ドル。でも打ってみれば、その違いは明らかさ)

extra money = 余分なお金

日本のCMで「違いのわかる男」なんてのがありましたが、それを「difference」みたいなありきたりな言葉を使わないで、こういう言い方をするとまたスマートな感じがして説得力もアップしそうです。

Are we in Inglewood?

Am I a nigger? Are we in Inglewood?
(俺はそこらの黒人の売人か? ここはイングルウッドか?)

ロサンゼルスのイングルウッド(Inglewood)はギャングが多く、犯罪率が高い場所だそうです。
「そんな危ない地域の路上で商売をしているドラッグディーラーと一緒にしないでくれよ」という意味のセリフですね。

「nigger」や「Inglewood」を他の単語と入れ替えれば、「〜と一緒にしてもらっちゃ困るよ」という意味のことを言いたいときに使えそうなフレーズです。

ちなみにこのイングルウッドという場所は、この映画の後半に出てくるセリフによると、ジュールズの住んでいる場所でもありますね。

Pepsi Challenge と any day of the week

My shit, I’ll take the Pepsi Challenge with that Amsterdam shit any old day of the fuckin’ week.
(俺のブツとアムステルダムのブツでペプシチャレンジ、いつでも受けてたつよ)

Pepsi Challenge = ペプシ・チャレンジ

「ペプシ・チャレンジ」とは、70年代にアメリカ、80年代に日本で行われた、ブランド名を伏せた状態で一般消費者にペプシ・コーラとコカ・コーラを飲み比べてもらうCM企画。
それまでの「コーラと言えばコカコーラ」という通念を打ち破り、ペプシ・コーラの優位性を証明しました。
売り込む商品に自信があるなら、この言い回しは使えそうですね。

ついでにこちらの熟語も覚えておきましょう。

any day of the week = 何曜日でも、いつでも

「いつでも受けたたつぜ」「いつでもどうぞ」みたいなことを言うときに使える熟語です。

同じタランティーノの『ジャンゴ 繋がれざる者』のキング・シュルツとカルヴァン・キャンディの商談シーンにもこの表現が出てきます。

映画『ジャンゴ 繋がれざる者』より
Now, that $9000 figure Bright Boy’s been bandying about, that ain’t too far off from right. And if I wanted to sell Eskimo Joe for that, I could do so any day of the week.
(さて、この賢い青年は9千ドルなどと吹きまくってるが、それはちょっと出来ない相談だな。エスキモー・ジョーをそれっぽっちの値段で売りさばくなんて、いつでも出来ることだよ)

bold statement

That’s a bold statement.
(大きく出たな)

bold = 大胆な

bold statement = 大胆な発言、思い切った陳述

動詞「make」を伴って「make a bold statement(大きく出る)」と言う表現もあります。

seller’s market

This ain’t Amsterdam, Vince. This is a seller’s market.
(ここはアムステルダムじゃないんだ、ヴィンス。ここは売り手市場だからね)

seller’s market = 売り手市場

「売り手市場」とは、説明するまでもありませんが、品薄だったり、なかなか手に入らないモノを扱っていたりで、買い手よりも売り手の方が優位に立っている市場のこと。

あとがき

本日はタランティーノの『パルプ・フィクション』から、ランスがヴィンセントにドラッグを売りつける会話をピックアップして、英語のセールストークを学んでみました。

売ってるモノまでマネしたらダメですけど、タランティーノの書くセリフはリズムがよく表現に富んでいるので、適当に単語を入れ替えたりアレンジしたりして、英語のセールストークに応用できそうです。

皆さんが楽しく英語を勉強するきっかけになればと思います。

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