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「ご都合のよろしい時で」を英語で?【サウンド・オブ・ミュージック】

映画『サウンド・オブ・ミュージック』の前半のシーンで、問題児のマリアは修道院を半ば追い出される形で、家庭教師の話しを持ちかけられます。

本日はそこでの修道院長とマリアの会話で、英語のボキャブラリーを勉強してみたいと思います。

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英語のセリフの引用と和訳

まずはこちらの会話のやりとりをご一読ください。

Reverend Mother (以下RM) : I will tell Captain von Trapp to expect you tomorrow.
Maria : Captain?

[中略]

RM : His wife died several years ago, leaving him alone with children. I understand he has had a most difficult time managing to keep a governess there.
Maria : Why difficult, Reverend Mother?
RM : The Lord will show you in His own good time.

修道院長「フォン・トラップ大佐に、あなたは明日到着すると伝えておきます」
マリア「大佐?」

[中略]

修道院長「数年前、お子様たちを残して奥様に先立たれて、家庭教師はなかなか居つかず、お困りのようです」
マリア「なんで居つかないんでしょうか、院長?」
修道院長「それは神のお導きで、その時がきたらわかりますよ」

出典:IMDb

とくに「楽しみ」でもない except の用法

最初に「expect」が出てきますね。

expect は「期待する」という意味で知られる動詞ですが、ここでは「〜が来るつもりで待っている」という用法ですね。

日本人が「期待する」と聞くと「楽しみに良いことを期待する」みたいなイメージがありますが、ここの用例のように、ただ待っているだけの意味でもよく使われます。

他の映画からもいくつか例を挙げておきますね。

映画『カサブランカ』より
Waiter. I’ll be expecting some people. If anybody asks for me, I’ll be right here.
(ウェイター、人を待ってるんだ。誰か訪ねてきたら、僕はここにいると伝えてくれ)

映画『メメント』より
Lenny: You Jimmy Grants?
Jimmy: Expecting any other Jimmys, memory man?

レニー「お前がジミー・グランツか?」
ジミー「他のジミーが来るとでも言うのかい、記憶男さんよ?」

映画『ゴッドファーザー』より
Hey! We weren’t expecting you, Kay. You should call.
(おい! お前が来るなんて聞いてないぞ、ケイ。電話しろよ)

ちなみに expect は下の用例のように、「妊娠している」という意味でも使われますね。

映画『アマデウス』より
Are you expecting?
(妊娠しているのか?)

この場合はまさに「良いことを期待する」ほうですね。

in one’s own good time 〜の都合のよいときに

次に、最後の「in one’s own good time」という表現、「〜の都合の良い時に」という英熟語です。
下のように「good」を省略して「in one’s own time」でもよいようです。

映画『スモーク』より
I was going to tell him, but in my own time.
(そのうち彼に教えるよ、時が来たらね)

この『サウンド・オブ・ミュージック』のシーンの場合は、「ま、それは今にわかりますよ」のようなニュアンスで、マリアを待ち受けている試練の日々をユーモラスに暗示しているわけですね。

ちなみにこれに legend(伝説)という単語を組み合わせて legend in one’s own time という熟語になると、「都合のいい時だけ伝説」とはならなくて、「生きていた当時からその名は伝説になるほど有名だった」という意味になるそうです。

普通はお亡くなりになってから伝説になる人が多いので、おそらくそれに対する概念でしょう。

映画『オースティン・パワーズ』より
Borschevsky: Who is this Austin Powers?
Basil: The ultimate gentleman spy, irresistible to women, deadly to his enemies, a legend in his own time.

ボルシェヴスキー「このオースティン・パワーズとは何者だ?」
バジル「究極の紳士スパイ、女は魅了され、敵には恐れられる、まさに生ける伝説です」

この場合の one ‘s own time は意味が違いますが、紛らわしいこともあるかもしれないので、ついでに覚えておくといいかもですね。

あとがき

よく考えたら、expect も in one’s own good time も未来に馳せる想いを表現するボキャブラリーですね。

意図したわけではありませんが、マリアの門出を励ますシーンにふさわしいピックアップでした。

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