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「安全第一」「影も形もない」「長身美人」「才能がある」を英語で?【塔の上のラプンツェル】

塔の上のラプンツェル

出典:imdb

先月は映画『塔の上のラプンツェルTangled)』のミュージカル曲『誰にでも夢はある(I’ve Got a Dream)』の英語の歌詞をご紹介しました。

この曲が歌われたあと、フリン・ライダーを逮捕するために警護隊がやってきて、ラプンツェルとライダーは地下の抜け道から逃げ出します。
さらにその後をラプンツェルを連れ戻しにきたゴーテルが追う、というややこしい展開になります。

この過程で、英語の勉強をしている方にはこの機会に覚えておきたい英熟語がいくつか出てきますので、4つばかしまとめて解説いたします。

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no sign of = 影も形もない

警察隊は酒場を隅々まで捜索しますが、ライダーたちはすでに逃げ去った後で、どこにも見つかりません。
そこで警護隊員のひとりが隊長に報告するセリフがこちら。

Sir, there’s no sign of Ryder.
(隊長、ライダーは影も形もみつかりません)

(there is) no sign of = 影も形もない

sign というと、カタカナ英語にもなっている「サイン」の元になった言葉ですね。
この英単語にはこれらの意味があります。

sign = 符号、記号、信号、合図、手まね、身ぶり、標識、看板、兆候、あらわれ

この熟語 no sign of での sign の意味は「兆候」「あらわれ」にあたります。

なので、この熟語はまた「〜の兆候もない」という意味でも使えます。

映画『スティング』より
Gondorff : Everything go okay?
Hooker : Yeah, sure. Hell, easy.
Gondorff : No sign of trouble?
Hooker : No.
Gondorff : What about Lonnegan?
Hooker : I gave him the breakdown.
Gondorff : And?
Hooker : He’s good. He threatened to kill me.
Gondorff : If they don’t do that, you know you’re not getting to them.

ゴンドーフ「大丈夫だったか?」
フッカー「ああ、もちろん。チョロいもんさ」
ゴンドーフ「トラブルの兆候もなしか?」
フッカー「ああ」
ゴンドーフ「ロネガンはどうだった?」
フッカー「細かく説明したよ」
ゴンドー「で?」
フッカー「いい感じだった。殺すって脅してきたよ」
ゴンドーフ「そりゃあ脈ありだな」

Play it safe = 安全第一で

ライダーの元仲間だったスタビントン兄弟が、警察隊がライダーを追いかけているあいだに、どさくさに紛れて逃げ出します。
そのときに見張りの隊員をぶちのめして言う捨て台詞がこちら。

Play it safe
(お大事に)

play it safe = 安全第一でいく、大事をとる、冒険をしない、安全策をとる

日本語でいう「気をつけてね」とか「危ないことしないでね」などの声かけにあたる英熟語として覚えておくと英会話に使えそうですね。

映画『ハスラー』より
How should I play that one, Bert? Play it safe? That’s what you always told me, play it safe, play the percentage. Well, here we go, fast and loose. One ball, corner pocket. Percentage players die broke, too, don’t they, Bert?
(どうプレイする、バート? 安全策でいけってか? いつもそう言ってるよな、安全策でって、損得を考えろって。さあ、ごちゃごちゃ言ってないでさっさといくぜ。一球入魂だ。損得勘定ヤロウは破産しておだぶつだ、なあ、バート?)

上は名作『ハスラー』のポール・ニューマンのセリフ。
ひょっとしたら「Play it safe」が出てくる映画史上もっともカッコいいセリフかもしれません。

a tall drink of water = 背が高くてカッコいい人

酒場のならず者たちの仲間のひとり天使みたいな老人が表に出ると、ゴーテルに出くわします。
美しくてスタイルのよいゴーテルを見て、天使老人が思わずこう声をかけます。

Hi, ohhh, somebody get me a glass. ‘Cause I just found me a tall drink of water
(やあ、おお、誰かコップをくれ。水もしたたる長身美女がいるぞ)

ここに出てくる tall drink of water という表現。
文字通りには「トールグラス(背の高いグラス)に入った水」という意味ですが、英熟語で「背の高い人」、とりわけ「背が高くてスリムでカッコいい人」を指すそうです。

映画『ショーシャンクの空に』より
SKEET : What do you say, Red?
RED : That tall drink of water with the silver spoon up his ass.
SKEET : That guy? Never happen.
RED : 10 cigarettes.

スキート「どうする、レッド?」
レッド「あの背の高いキザ野郎にするよ」
スキート「あいつか? ありえねえよ」
レッド「タバコ10箱かけよう」

ちなみにこの熟語は別の言い方で long drink of water ともいうそうです。

出典:imdb

have it in = 才能がある

地下通路を逃げながら、ライダーがさっきの酒場での出来事を思い出して、ラプンツェルにしゃべりかけるセリフがこちら。

I didn’t know you had that in you back there. That was pretty impressive.
(きみにあんな才能があるとは思わなかった。まったく感心したよ)

ちなみに「あんな才能」とは、ラプンツェルが酒場のならず者たちをいっぺんに手懐けて味方にしてしまったことを言っていますね。

ここに出てくる I didn’t know you had that in you(きみにあんな才能があるとは思わなかった)という言い回し。

辞書には以下の形で載っている英熟語です。

have it in = 素質がある、才能がある、資質がある

この『ラプンツェル』でのセリフみたいに I didn’t know を頭につけて「そんな才能があるなんて知らなかった」という言い回しもよく聞きますね。

映画のセリフで思い出すのはやっぱりこれでしょう。

映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』より
He laid out Biff in one punch. I didn’t know he had it in him. He’s never stood up to Biff in his life.
(パンチひとつでビフをぶっ飛ばしたんだ。あんな底力があったなんて知らなかったよ。今まで一度もビフに歯向かったことなんてなかったのに)

上はマーティーのお父さんがビフをパンチでのしたことをドクに報告するセリフですね。

ちなみに、この後ろに to do をつけて「〜をする素質がある」という具体的な言い回しもできます。

TVドラマ『Garfunkel and Oates』より
KATE : He was the chubby one with the brown hair. He was my favorite.
RIKI : That was your favorite?
KATE : Yeah.
RIKI : That is the definition of a low-self-esteem crush.
KATE : Oh, I didn’t really have it in me to like the hot one.
RIKI : Oh, I did.

ケート「茶髪でちょっとデブな人よ。彼、お気に入りなの」
リキ「あんなのがいいの?」
ケート「うん」
リキ「まさにプライド低すぎトキメキってやつね」
ケート「あー、わたし、セクシー男性を好きになる素質ないし」
リキ「わたしはありだな」

あとがき

本日は映画『塔の上のラプンツェル』の物語中盤の急展開部分で英語のボキャブラリーを解説してみました。

このあと、ラプンツェルとライダーは警察隊に追いつかれ、有名なフライパン殺陣シーンとなるわけですね。

というわけで、フライパン殺陣の映像でこの記事をおわりにしたいと思います。

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